潮位データを入手し直し、再処理を行いました。2024年9月以前の処理データと多少、違いがあります。
本研究では、1961年以降の海上保安庁海洋情報部 (7検潮所)、気象庁 (18検潮所)、国土地理院 (細島) の3機関により測定された潮位データを用います。
リアルタイムに近いモニタリングを行うため、上記の各機関がホームページで公開している値を定期的にダウンロードしています。また、気圧補正を行うため、気象庁の過去の気象データ検索の海面気圧を使っています。
海上保安庁の潮位データは、 日本海洋データセンター (JODC) に公開された場合には置き換えます。 また、気象庁の潮位データは 歴史的潮位資料として整備された再解析値を用いています。
入手したデータのうち、潮位や気圧が毎正時の値で与えられている場合には、それらを1日で平均して、日平均値とします(0時から23時までの24個。正時以外の値は与えられていても使わない)。
つぎに、検潮所近傍の日平均気圧を用いて日平均潮位に気圧補正を加えます。
さらに、潮汐 (月や太陽による起潮力) による海面の昇降は黒潮などの海流とは無関係なので、調和解析で予報する短周期の潮位を日平均潮位から除きます。
最後に、1971〜2000年の平均値を除きます。
長周期の変動(半年以上の潮位変化、温暖化による海面上昇や検潮所の地盤沈下など)は、除いていません。
調和解析および予報プログラムは、python の UTide を用いています。
「気圧補正後の潮位」を対象として、その年の前後2年の5年間分について調和解析を行い、分潮の係数を求めます。これから長周期潮の Sa、Ssa を除いて潮位を計算しています。直近については、直近5年間の係数により潮位を予報します。